エリアデータ · 福岡市
福岡市 7 区で災害に強い区 — 取引があった 164 町の洪水・土砂・液状化を実データで照合
公開: 2026 年 9 月 16 日 · データ取得日 2026 年 9 月 16 日 · SafeLand 編集部
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登録不要・無料。町名まででかまいません。丁目・番地まで入れると判定が正確になります。マンション名・部屋番号は分析対象から除外され、 入力した住所は 30 日で削除されます。
福岡市は、人口が増え続けている数少ない政令市です。 そのぶん「災害に強い区はどこか」という問いも、人口の伸びと切り離して考えにくいという事情があります。
この記事では、実際に家や土地が売買された町を 1 つずつ公開データと照合しました。 評判や地形の一般論ではなく、直近四半期に取引があった 7 区・164 町の実測値です。
この記事で分かること
- 7 区で、取引があった町のうち何 % が洪水・土砂災害・液状化に該当するか
- 最も少ないのは南区 (26%)、最も多いのは早良区 (83%) であること
- 7 区とも該当率が 26% を下回らないこと。 横浜市や名古屋市のような「ほぼ該当しない区」は福岡市には見当たらない
- 該当の少なさと人口の伸びが結びついていないこと。 人口が増える 4 区はいずれも該当率が高い側にある
- 人口が増える区の中では東区が最も該当率が低いこと
調べ方 — 取引があった町を照合する
- 国土交通省の不動産情報ライブラリから、直近四半期に取引があった町を区ごとに集める (7 区・164 町)
- 町名を位置特定して、町の代表点を得る
- 整形後の住所に同じ区・同じ町が残っているかを確認する。別の場所に寄せられた町は数に入れず落とす
- その代表点で洪水浸水想定区域・土砂災害警戒区域・液状化傾向図を照合する。 液状化は調査範囲に入っているかではなく、判定が「しやすい」側のものだけを数える
区を 1 地点で代表させていません。出ている割合は、実際に人が買っている場所のうち何 % が該当したか、です。
この照合で分からないこと
- 判定は町の代表点に対するものです。同じ町でも、道を 1 本はさむと変わることがあります
- その四半期に取引が無かった町は入っていません。区内の全町が母数ではありません
- ハザードの区域は行政が公表している想定です。見直されることがあり、 個々の建物の構造や地盤改良までは示しません
- 単価の中央値は種別が混在した取引額から計算したもので、公示地価ではありません
災害の該当が少ない順
「いずれか」は、洪水・土砂・液状化のうち 1 つ以上に該当した町の数です (同じ町が 2 つに該当しても 1 と数えます)。
| 順位 | 区 | 照合した町 | 洪水 | 土砂 | 液状化しやすい | いずれか |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 南区 | 23 | 6 (26%) | 0 (0%) | 6 (26%) | 6 (26%) |
| 2 | 城南区 | 14 | 4 (29%) | 1 (7%) | 2 (14%) | 6 (43%) |
| 3 | 東区 | 35 | 8 (23%) | 1 (3%) | 19 (54%) | 20 (57%) |
| 4 | 中央区 | 25 | 16 (64%) | 0 (0%) | 18 (72%) | 18 (72%) |
| 5 | 西区 | 22 | 7 (32%) | 2 (9%) | 15 (68%) | 17 (77%) |
| 6 | 博多区 | 27 | 12 (44%) | 0 (0%) | 21 (78%) | 22 (81%) |
| 7 | 早良区 | 18 | 9 (50%) | 0 (0%) | 12 (67%) | 15 (83%) |
同じ方法で調べた横浜市では最も少ない区が 0%、名古屋市でも 4% でしたが、福岡市は最も少ない南区でも 26% です。 内訳を見ると液状化の「しやすい」判定が広く、たとえば博多区では 27 町中 21 町、中央区では 25 町中 18 町が該当しています。市街地の多くが低地と埋立地に広がっていることが背景です。
繰り返しになりますが、該当は「行政が公表している想定区域に入る」という意味です。建物の構造や階数、地盤改良の有無によって実際の備えは変わります。 該当率が高いことは、その区に住めないということではありません。
福岡では、該当の少なさと人口の伸びが結びつかない
神戸市では「該当が少ない区ほど人口が減る」という逆の関係が、 名古屋市では「該当が少ない区ほど人口も保たれる」という同じ方向の関係が出ました。 福岡市はどちらでもありません。
| 区 | 災害いずれか | 2050 年変化率 | 高齢化率 | 単価中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 南区 | 26% | -1.8% | 22.6% | ¥312,000 |
| 城南区 | 43% | -5.9% | 23.5% | ¥250,000 |
| 東区 | 57% | +4.3% | 21.6% | ¥300,000 |
| 中央区 | 72% | +4.7% | 17.0% | ¥584,615 |
| 西区 | 77% | +1.7% | 23.2% | ¥250,000 |
| 博多区 | 81% | +3.7% | 16.6% | ¥574,194 |
| 早良区 | 83% | -6.1% | 23.5% | ¥300,000 |
該当が最も少ない南区は 2050 年に -1.8%、 次に少ない城南区は -5.9% と減る見込みです。 一方で該当率が最も高い早良区も -6.1% と減ります。 つまり該当率の上下が、人口の増減をほとんど説明していません。
人口が増える見込みなのは中央区 (+4.7%)・東区 (+4.3%)・博多区 (+3.7%)・ 西区 (+1.7%) の 4 区で、該当率は 57〜81% です。 中央区は転入超過率が 1.05% と 7 区で最も高く、 博多区は高齢化率が 16.6%、中央区が 17.0% と、いずれも全国的に見ても若い水準です。
この構造だと、「該当の少なさ」と「街の伸び」のどちらを優先するかを先に決める必要があります。人口が増える区の中で該当率が最も低いのは東区 (57%) で、2050 年は +4.3%、 転入超過率は 0.81% です。 該当の少なさを優先するなら南区ですが、人口は微減の見込みになります。
区ごとに見ると
- 南区 — 該当 26%(23 町中 6 町)で 7 区で最も少ない。2050 年は -1.8% と微減。
- 城南区 — 該当 43%。照合できた町は 14 町と 7 区で最も少ないので、割合のぶれは大きくなります。 2050 年は -5.9%。
- 東区 — 該当 57%、2050 年 +4.3%。 人口が増える区の中では該当率が最も低く、照合した町数も 35 町と 7 区で最多。
- 中央区 — 該当 72%、2050 年 +4.7% と 7 区で最も増える見込み。 転入超過率 1.05%、高齢化率 17.0%。単価中央値も高い。
- 博多区 — 該当 81%(うち液状化が 21 町)。高齢化率 16.6% は 7 区で最も低い。
- 西区 — 該当 77%。2050 年は +1.7% と増える見込みですが、転入超過率は -0.08% と 7 区で唯一の転出超過。
- 早良区 — 該当 83% で 7 区で最も多く、 2050 年も -6.1% と最も減る見込み。
購入前に確認すること
福岡市のようにどの区でも該当率が一定以上ある場合、該当するかどうかで候補を絞るのはあまり有効ではありません。絞るべきは区ではなく住所で、見るべきは「該当の有無」より「想定の中身」です。
- 液状化の判定が「しやすい」側か、地盤改良や杭の記録が残っているか
- その住所で想定されている浸水の深さと、想定の前提となる河川・降雨
- 埋立地かどうか、造成の時期と造成前の地形
- 周辺の取引価格と、その町の人口がこの 10 年でどう動いたか
SafeLand では、住所を入れると公開データから該当の有無をその場で確認できます。 登録は不要です。
出典と数字の定義
- 取引があった町・取引件数・単価中央値: 国土交通省 不動産情報ライブラリ
- 洪水浸水想定区域・土砂災害警戒区域・液状化傾向図: 同ライブラリ
- 人口・高齢化率・転入超過率・2050 年推計人口: 総務省統計局 e-Stat
- 町の代表点: Google Geocoding(整形住所が同じ区・同じ町であることを確認済み)
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